運動障害のある子供にいちばん多く使われているのは「脳性麻痺」という言葉です。
しかし「脳性麻痺」というのは診断名というよりも、あるタイプの脳障害を説明する言葉と言ったほうがいいでしょう。このタイプの障害児は、主に脳の皮質下部に損傷があるのです。
この皮質下部というのは、脳の中央領域を形成していますが、機能面からみて、人間能力開発研究所では、中脳と呼んでいる部分です。これには、基底核、視床、小脳、および、解剖学的には脳橋の上にある脳幹上部の、従来「中脳」と呼んでいる部分が含まれます。
適切な診断名のかわりに、症状をあらわす名称が使われてしまうと、治療の方向はそうした症状のみに向けられてしまうことが多いのです。それでは効果は期待できません。
治療の成功を願うなら、実際の損傷の存在する脳に働きかけねばなりません。
脳のどこが損傷されているのか、その程度はどのくらいなのか、損傷はどのくらいの範囲にわたるのかなどが示されるのが、正しい診断なのです。
人間能力開発研究所の資料には「脳性麻痺」などという古くさい呼び名は使われていません。私たちは「脳障害」という用語を使っています。この言葉は、非常 に重度の昏睡状態、麻痺、盲目、耳が聞こえないといった状態から、軽度の学習障害まで、その間にあるあらゆる脳障害を含んでいます。
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