子どもたちのサクセスストーリー

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フェルッチオ・グイディ

 フェルッチオ・グイディは1969年5月4日、イタリアのヴェネチアで生まれました。難度の中脳障害児として4歳で研究所のプログラムを始めました。中脳障害(注)に共通して見られる呼吸、バランス、協調などの問題が非常に大きかったため、歩くことができませんでした。

 しかし知性面ではつねに優秀で、高等学校まではまったく学校に行かず、家庭でお母さんの指導を受けました。高等学校では数学で最優秀の成績を収め、パドゥア大学で高等数学の勉強を始めました。

 1996年フェルッチオは、立派な英語で次のような手紙を書いてくれました。

  「現在の興味の中心は数学です。論理学にも関心をもっています。大学の勉強はほとんど終了し、あとは必須の小論文をあとふたつ書かねばなりません。それと並行して卒業論文の内容について指導の教授と相談中です。卒業論文は必須ではないのですが、書くと学位取得のための得点に加算されるので有利なのです。論 文のタイトルは「マーティン・レフの類型論の範囲におけるゲデルおよびクライゼルの第3定理」です。小論文のほうは、(1)多項計算式における高速フーリエ変換の応用について、と(2)変形ボーダリング論です。

 パドゥア大学での勉強は大変でしたが、私は身体障害者のための介助を認める法律はまったく利用しませんでした。私は常に、最高の学生と自分とを比較していました。そして、世界的に著名なサンビン教授の指導による数学理論の小さなグループに入ることができました。このグループの一員として私は学術会議やセミナーにも出席しています。

 多分1998年春には大学を卒業できるでしょうから、その後は数学かコンピュータ・サイエンスで博士号を目指したいと思います。これは4年かかります。でもそうすれば大学の研究グループにも続けて在籍できることになるでしょう。

 研究活動だけでなく、私は大学で得た友人たちをとても大切に思っています。彼らの集まりやバースデイパーティー、親睦会などにも参加します。

 コンピュータ・プログラムを作るのが大好きで、実用的なもの、ゲーム、操作システム、フラクタル図形のドローイング、自分で作ったコンピュータ言語のコンパイルなど、いろいろやっています。

 暇といえるほどの暇はほとんどないのですが、わずかでも時間ができたときには、私は短編ものを書くこともありますし、現在は小説を書いているところです。時々はオペラにも出掛けますし、オーケストラ音楽も好きです。イタリアやヨーロッパを旅行をすることもあります」

 1997年4月にフェルッチオが研究所での再診のためにフィラデルフィアに来たときには、エヴァン・トマス研究所インタナショナルスクールの子供たちは、フェルッチオの高等数学の授業を受けることができ、大いに楽しみました。

 自らの可能性を追及した長年にわたる彼の並外れた努力と熱意は、多くの両親や子供たちに勇気を与えました。

*中脳:脳の中央部分皮質下の領域。人間能力開発研究所では、機能面からみて中脳と言った場合は、大脳基底核、視床、小脳、および解剖学的には脳橋の上にある脳幹の上部の従来「中脳」と呼ばれている部分を含む。