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子どもたちのサクセスストーリー

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ヴェラスの子供は何からできている?

人間能力開発研究所をブラジルに創立し、その所長を務めていたハイムンド・ヴェラスは、「ダウン症」あるいは「モンゴロイド」と診断されたたくさん の子供たちを治療した初めての人です。ドクター・ヴェラスのその功績を称え、人間能力開発研究所では40年前から、このタイプの脳障害児を、非公式ではあ りますが「ヴェラスの子供」と呼んでいます。

 ここにご紹介するのは、「ダウン症」の赤ちゃんとして人生を歩み始め、その後の人生を「ヴェラスの子供」と名を変えて過ごしている子供たちのお話しです。

 このなかには、 集中プログラムを続けて、同年齢の子供たちに追いつき、プログラムから正式に卒業した子供もいます。私たちは、どの子もみな、そうなることを目指しています。

 この記事は1993年に書かれたものです。

カルラ・ジョスウェイ

 イタリア、アースコリ・ピチェーノ在住。20歳。8歳半で人間能力開発研究所のプログラムを開始し、わずか26ヵ月で正式にプログラムから卒業しました。

  母国語のイタリア語のほか、カルラは英語とドイツ語を話し、読み、書くことができます。プログラム卒業後、高等学校に入学し、わずか3年で卒業資格を得ま した。その後ホテル従業員のトレーニングスクールに入学し、ウエイトレスとバーテンダーの訓練を受けました。現在カルラは、ホテル業界で経験を積みたいと いう希望をもっています。

 カルラ自身からの報告では、運動面では同年齢の人たちより優れているとのことです。時間ができるとジムに通ったり、泳いだり、前からやっているバレエのレッスンを受けたりしています。ツアーに入って旅行することも楽しみのひとつです。

 自分自身についてカルラは「何につけても独立心があり、気持ちのやさしい人間です」と言っています。

フランチェスコ・アリオ

 イタリア、クレモナ在住。9歳半。生後15ヵ月でプログラムを始め、5歳で正式にプログラムから卒業しました。

  ご両親は次のように言っています。「プログラムのおかげで、フランチェスコの知的な潜在能力が全体的に開発されました。今では、いったん本を読み始める と、疲れることも飽きることもなく読み続けます。」知性面のプログラムだけでなく、運動面と生理面のプログラムもフランチェスコを成長させました。「この 3つのプログラムは、切っても切れない関係にあります。どれひとつを抜かしても、その他のふたつに影響がおよびます」とご両親は言います。

 プログラム卒業後フランチェスコは普通学校に入学し、現在4年生です。学校では完全に自立していて、歴史が得意です。ゆくゆくは大学を卒業したいという目標をもっています。

  学校ではクラスメートと一緒によく遊びよく学び、という日々と過ごしていますが、落ち着いていて行儀のよい友だちが好きだということです。ご両親は特に、 民法プログラムを高く評価していて、「このプログラムのおかげで、フランチェスコは責任感の強い、行儀のよい子供になり、社会性も身につき、どんな状況に も対処できて、完全に自分をコントロールすることができます」と報告しています。

 生まれてから数年間は健康状態の悪かったフラン チェスコですが、運動面でも生理面でも、優秀の域に達しています。今ではバレーボールを楽しみ、体操をし、ヴァケーションをドロミテ山中で過ごしてから は、山岳地帯のハイキングにも興味をもつようになり、2800メートルの山にも登りました。教会では侍者の役割を務めましたし、友だちや祖父母とオペラの 悲劇の一部を暗唱したり歌ったりするのも好きです。

 ほかの家族と同様、アリオさんご一家も、プログラムから多くのものを得まし た。「私たちは決意と熱意に支えられて、家族みんなで協力してプログラムをおこないました。このことで、両親や、プログラムを手伝ってくれた祖父母などと の絆がいっそう強くなりました。だからこそフランチェスコは、心のやさしい、思いやりのある人間になったのです」

カースティ・セシル・ミカルセン

 ノルウェイ、トラネイ在住。14歳。まもなく9歳というときに始めたプログラムを、4年半おこないました。

 ご両親は、このプログラムの成果として、カースティの運動能力、動きの協調、視力、筋力、バランス、集中力などが発達し、全体的な能力にまとまりが出てきたと言っています。

  カースティは1993年にシュタイナースクールに入学し、すぐに6年生のクラスに入りました。勉強も、クラスメートとの関係も、とてもうまくいっていま す。言語、読み、書くことなどは同年齢レベル、理解力と数学は年齢レベルを少し下回ります。「社会的には立派にやっていますが、まだ経験が不足です」とご 両親は報告しています。

 家庭では体操とランニングのプログラムを続け、楽しみのための水泳も続いています。バスに乗ってひとりで買い物にでかけたり、旅行もします。カースティの当面の計画は、ハイスクールを卒業することです。

 毎日のプログラムはご両親にとってもたいへんでしたが、お二人は「娘の能力と可能性は、あらゆる分野で大きく広がりました。毎日がんばってきたかいがありました」と言っています。

アラン・サンパイオ・パスカール

  ブラジル、ミナス・ジェライス在住。16歳。生後14ヵ月のときに、ブラジルのバルバセーナの人間能力開発研究所で最初の評価を受けました。視覚と聴覚の 機能はよかったのですが、言語、触覚、運動のレベルが年齢以下でした。腹ばいはできましたが、まだ高ばいはしていませんでした。

 10歳でグラジュエーション・トゥー・ライフとなり、普通学校に入学してからも、1日4時間の運動プログラムは続けました。学校でもうまくいき、1990年3月、13歳半でプログラムから正式に卒業しました。

 現在は普通学校の7年生です。言葉もはっきりしてきて、読みの理解力も完全ですし、あらゆる状況にも完全に対処できます。

 運動面と社会面が向上したので、友人と一緒にバスケットボール、水泳、バレーボール、サッカーなどを楽しむことができるようになりました。ご両親の固い決意のおかげで、明るい将来が開けたのです。

ニーナ・バックマン

 アメリカ、ノースカロライナ州在住。3歳半でプログラムを始め、小学校に入学するまでの3年半、プログラムをおこないました。

 ご両親は「プログラムのおかげで、娘は勉強の面でも、運動面や社会面でも向上しました。研究所スタッフの指導のもとで、ニーナの読みの能力は急速に進歩し、それとともに、自信をもてるようになりました」と報告しています。

  ニーナはモンテッソリ・スクールで2年間を過ごし、その後普通の公立学校に入りましたが、読みの能力は同年齢児のレベルをはるかに上回っています。今年ま では普通クラスにいましたが、今は特別の手助けをしてもらえるクラスに移りました。昨年はクラスのスペリング・コンテストで優勝して、クラス代表で全校コ ンテストに出場しました。

 学校の勉強のほかにもニーナはコンピュータが得意で、自分の研究プロジェクトのために使ったり、コン ピュータの能力を生かしてご両親の仕事を手伝ったりしています。スズキ・メソードのヴァイオリン・レッスンを4年間受け、とても上手に演奏します。ニーナ が書いた詩が、地元の新聞に2回掲載されました。教会の音楽会でも何回かソロを歌いました。

 健康状態も抜群です。この6年間で医 者にかかったのは、ちょっとしたことで2回だけです。ニーナはいまとても健康ですが、生まれたときには医者から、きっと毎月医者にかからねばならないこと になるでしょうと言われたそうです。乗馬をしたり、カヤックやその他の水上スポーツがたくさんできるのも、生理面の状態がとてもよいからです。

 ニーナの将来についてお母さんはこう言います。「この子は毎週ちがうことを言い出すのですが、ヴェラスの子供だということで限界があるとはまったく思っていません。ハイスクールを卒業したら、コミュニティー・カレッジに行きたいと言っています。」

  ニーナの成功を見てご両親は、ほかのヴェラスの子供のことも、新しい目で見るようになりました。「私たちが自分の子供について望んでいたことは、あまりに も小さいことでした。研究所は、研究所と親との共通の目標として、ニーナの将来を違ったものにすることができるという確信と、その方向を与えてくれまし た。私たちは一丸となってお互いに心を分かち合い、何回つぶれても立ち直ることを学びました。ニーナの兄たちはいつも彼女を、ごく普通の妹として扱ってき ました。子供の可能性についての私たちの確信は、ますます強くなるばかりです。」

アンドリュー・リー・ジョーンズ

 アメリカ、カンザス州在住。19歳。生後17ヵ月で研究所のプログラムを始められたのは幸運でした。ご両親はリーが普通学校に入ってもやっていけると思えるようになるまで、5年以上にわたってプログラムを続けました。

  最初リーは、地元の公立学校の半日幼稚園に入りましたが、クラスのなかで読むことのできる子供はリーを含めて二人だけでした。その後私立学校に入って7年 生まで過ごし、ふたたび公立学校に戻りました。現在ハイスクールの3年生で、通常の授業には全部出席し、さらに1日1時間、学習センターで勉強していま す。

 学校の勉強にはとても力をいれていて、ハイスクールに入学してから、優等生のリストに名前が載らなかったのは1学期だけです。リーはいま、卒業後も学問を続けることを考え始めています。

  お母さんはリーについて、「自分のよいところを十分に知っていて、実に前向きな生き方をしている」と言っています。それは、リーの関心や活動範囲の広さを みれば明らかで、空手、ピアノ、ゴルフ、スキューバダイビング、家族旅行、教会の青年グループでの活動、学校の野球チームのマネジャーなどでも、優れた能 力を発揮しています。

 しかしいちばん好きなのは、演劇のようです。これまでに3回、舞台に立ったことがありマすし、ここ3年間は地元の子供劇場でボランティアをしています。そこでの主な仕事は、お客様の案内係ですが、設備のメンテナンスや事務の仕事もしています。

  このところ2年間、夏の間は、海兵隊予備隊で仕事をし、オフィスのアシスタントとして、ファイリング、郵便発送、コンピュータのデータ・インプットなどの 仕事をしました。昨年はコンピュータ補佐として、コンピュータによる在庫管理、コンピュータの設置の手伝いやメンテナンスなどの仕事もしました。

  お母さんは次のように語っています。「リーは、彼自身のもつ意欲、行動力、組織力、決意などに支えられて成功してきました。これはすべて、何年間も研究所 の厳しいプログラムをおこなった成果です。プログラムをおこなって、私たちは、だれも、どんな人間の能力にも限界をもうけてはいけないことを実感しまし た。やりたいと思ったら、できないことはほとんどないということを、リーは私たちに教えてくれたのです。

ジェニファー・アルキン

 南アフリカ、ポートエリザベス在住。14歳。生後20ヵ月でプログラムを始め、正式なプログラムは8歳まで続けました。

  ジェニファーは家庭でのプログラムを続けながら学校に入り、現在は普通学校に通っています。お母さんは次のように語っています。「プログラムのおかげで ジェニファーは精神的にも肉体的にも成長しました。知らない人がみたら、普通の子供にみえるでしょう。歩き方も走り方も、同年齢の子供と変わりありません から。」

 プログラムの成果については「バランスのとれた、社交的な子供になりました」とのこと。モダンダンスを楽しみ、釣り、ボート、キャンプ、自然保護などに関心をもっています。学校の修学旅行でも、いろいろなところに行きました。しかしなにより好きなのは、読書です。

 心臓の問題のために、スタミナに限度がありますが、水泳もしますし、学校での運動にも参加しています。

 小さいときにしっかりとおこなったプログラムの成果は今でも続いていますが、将来は看護婦か教師になりたいそうです。

 何年もがんばってプログラムをおこなうことで、「家族としてのより強い結びつき」という副産物もありました。

ハヴィエル・マルケア

 フランス、サンジャック・デ・ラ・ランド在住。23歳。小さいときにプログラムを始めたリー・ジョーンズとは違って、ハヴィエルが集中プログラムを始めたのは15歳のときでした。5年半がんばってプログラムを続けました。

 プログラムをおこなうなかでハヴィエルは、運動面と知性面で大きな進歩を遂げました。特に体操とランニングでは優れた能力を発揮しました。現在でも、毎日走っています。

  社会面でのいっそうの向上を目指して、ハヴィエルは今、ビジネストレーニングとしての英語、フランス語、数学の勉強に精を出しています。また、公園や庭園 の開発と管理のトレーニング設けました。最近では2年間の農業コースをとって、温室栽培の適性検査試験に備えています。

 ご両親によれば、ハヴィエルはまだ、編成力と細かい手の作業に問題が残っているとのことです。しかしその一方「彼は多くの分野で膨大な知識をもっていて、その点では、他の青年たちよりかなり高いレベルにあります」とのことです。

  ハヴィエルが発揮した能力は、ヴェラスの子供たちが達成できるであろうことについての地元の専門家たちの見解に挑戦する結果となりました。「彼はすべての 先生と二人の医師を驚かせました。医師たちは、ハヴィエルが運転免許をとるためにドライビングスクールに入ることを許可したのです。私たちの住む地域で、 この二人の医師がヴェラスの子供に好意的な推薦を出してくれたケースは、ハヴィエルの場合が初めてでした。

 プログラムをしたこ とで、ハヴィエルには自信が生まれました。グレン・ドーマンは、成功すればやる気が起きる、失敗すればやる気が失せると言っていますが、そのとおりです。 ハヴィエル自身にも、私たち両親にも、とうてい不可能だと思われたプログラムのゴールを達成できたのは、ハヴィエルが成功し続けたからなのです。」

リサ・ウィウソン

 アメリカ、カリフォルニア州在住。15歳。生後わずか11ヵ月でプログラムを開始し、7歳まで正式にプログラムを続けました。

  お母さんは次のように報告しています。「プログラムをやってリサは、運動面(これはリサにとって本当に大変なことでした)でも、心理面でも、社会面でも、 知性面でも、進歩しました。誕生のときもやっとのことで命をとりとめ、その後も長いこと危険な状態でしたが、現在では健康でたくましく、活動的なティンエ イジャーです。」

 リサは今、メリーランド州ボルチモアのカルヴァートスクールの教材を使ってホームスクーリングで学んでいます。現在8年生で成績はAかA-です。当面の計画は、ハイスクールを卒業することと、運転免許をとることです。

  運動のプログラムはしっかりと続けていて、バレエ、トランポリン、ランニング、水泳、テニス、ボーリングなどをしています。ミュージカルが大好きなリサ は、曲をたくさん知っていて、歌うこともできます。教会の活動、ガールズ・キャンプ、ティーンクラブなどは活躍の場です。お母さんは次のようにかいていま す。「プログラムのおかげで、運動面と知性面でしっかりと進歩しました。リサはさまざまなことに興味をもち、大きな自信をもって、独立心も旺盛です。文字 どおりなんでも楽しむことができる子で、彼女を知る人はみな、愛と幸せを感じるようです。小さな子供や動物の世話をするのが好きですし、日常の家事や庭仕 事もこなしてくれます。」

 命は助からないといわれた赤ちゃんは今、全開の幸せな人生を送っています。

ローラ・ライ

 フランス、パリ在住。11歳。生後35ヵ月でプログラムを始め、6歳まで正式なプログラムを続けました。

 ご両親によれば、ローラは言語(3ヵ国語を無理なく話します)、一般知識、音楽、成熟度、何が重要かという判断力などが、同年齢の子供より優れています。しかし数学、集中力、手を使う能力の一部については、まだ年齢レベルに達していないとのことです。

  ローラは責任感の強い子供で、家事、料理、アイロンかけなどのお手伝いを、ほがらかにこなしています。当面の目標は学校を卒業することで、その後貿易の勉 強をするか、子供の世話をしたり教えたりすることを学びたいそうです。またダンサー、医者、音楽家などにも関心をもっています。

  話すことと発音の面でまだ問題が残っているため、ローラは、言語に問題のある子供のための学校に通っています。現在2年目に入り、うまくいっているという ことです。家庭でも脳神経プログラムをいくらか続けており、特にランニング、ブレキエーション、ピアノなどを重点的におこなっています。そのほか、読書、 空手、ダンス、スキー、トランポリン、ハイキング、ヨガ、演劇なども好きです。

 プログラムを始めたのが非常に小さいときだったの で、自己規律とハードワークのよいところをすぐに身につけることができました。家族全員にとっても、プログラムは得るところの多いものでした。「私たち は、明るくがんばること、時間を無駄にしないこと、整理整頓しておくことを学びました。また、お互いに協力しあうこと、困難には一丸となって当たることも 学びました」とご両親は書いています。

マリー=リエス・リシャル

 フランス、アヌシー在住。20歳。11歳でプログラムを開始し、19歳でグラジュエーション・トゥー・ライフとなりました。

 プログラムをおこなっている間にマリーは、視覚の収束、協調とバランス、書くこと、および言語が向上しました。生理面でも大きな成果があり、特に呼吸が非常によくなりました。

 社会面でも成長しました。プログラムも高度なものになり、玩具店、ホテル、洋服屋などで見習い従業員を経験しました。現在は職業高校にかよっており、観光業の分野で仕事をしたいと思っています。ここでは英語、ワープロ、料理、食事のサービスなどの科目を学んでいます。

 家ではフランス語、数学、読み、問題解決、酸素を十分に取り入れるためのプログラムなどを続けています。マリー=リエスは、体操、水泳、クラシックバレエが得意です。演技にも関心が蟻、芝居とミュージカルコメディーの訓練も受けました。

  マリー=リエスは、社交的な性格の独立心旺盛な女性です。英国へは3回旅行しましたが、いつも個人の家庭にホームステイしています。家庭では小さな甥たち の世話をし、家族の食事のための買い物や料理もしています。他人を助けたり、世話をするような仕事に就くことを目標にしています。

  ご両親は次のように報告しています。「プログラムによって娘は、粘り強く努力することを覚えました。興味の幅も広がりました。さらに、みずからの限界を克 服することができるのだ、と実感したようです。プログラムをおこなったことで、家族全体の教養が高まり、運動もよくするようになり、好奇心も強くなりました。また、さまざまな可能性を強く認識するようになりました。」

人間能力開発研究所イン・リポート編集者
ジャネット・ゴーガー

人間能力開発研究所医学主任助手
ドーン・プライス